睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に繰り返し呼吸が弱まったり、止まったりする病気です。ほとんどの場合は、睡眠中に舌が喉の奥に沈み込んで気道が塞がれることで呼吸の障害が起こります。
眠っている間に起こるためなかなか発見することができず、検査や治療を受けていない潜在患者は300万人にのぼるともいわれているやっかいな病気です。

SASになると眠りが浅くなり、日中に強い眠気や倦怠感、疲労を覚えるようになります。SAS患者の居眠り運転の経験割合は、非SAS患者の約5倍というデータも。判断力・集中力の低下が、交通事故をはじめ重大な過失を招く可能性があります。
また慢性的な睡眠不足状態は、体内のホルモンバランスや自律神経にも影響を及ぼします。生活習慣病である高血圧症や糖尿病にもかかりやすくなるため、心不全や心筋梗塞、不整脈、脳卒中といった重大な疾患のリスクも上がります。
そのほかにもメンタルヘルスへの悪影響や、夜間頻尿、肩こり、頭痛、歯周病などの原因になることも。まさに万病の元といっても過言ではありません。

肥満傾向の男性に多い疾患ですが、女性や痩せ型体型の人がかかる場合もあります。とくに女性は閉経後に発症頻度が増加するため要注意。いつの間にか発症し、徐々に進行して慢性化していきます。
大きないびきをかく、太り気味である、昼間の眠気や居眠りに困っている、夜中によく目が覚めるなどの心当たりがある方には、早めに検査を受けることをおすすめします。

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