現地での治療 新型コロナウイルス対策に伴い制限されていたドイツ入国が解除され、ドイツの大学病院への紹介を再開しました。 初回検査・治療時は、当院長が付き添います。また空港到着時より、担当通訳が同行しますのでご安心ください。 1日目(外来) 問診・診察 問診票に記入をし、現地ドクターの診察を受けます。 Ga-PET検査 Lu-177 PSMAと性質のよく似た放射性同位元素を注射してPET検査を行います。この検査によって薬剤が病変に集積することが確認できれば、Lu-177 PSMA治療が実際に適応となります。 ※適応が確認できない場合には、治療が実施不可となる可能性がございます。 2日目(入院) 腎シンチグラム 治療当日の腎機能の状態を確認します。この結果によって、最終的な治療薬の投与量が決められます。腎機能の状態が良くない場合には、体内の薬剤が排泄されない(放射能が体内に堆積してしまう)ため、投与量を控えなければいけません。 Lu-177 PSMA投与 実際の治療は注射で薬剤を投与するだけです。所要時間は約30分程度です。投与後は入院病棟内(管理区域)で過ごし、定刻になるとベッドに横になるよう指示があり、投与後の状態をチェックします。 3日目(入院) PET検査 薬剤投与後24時間後に検査をし、画像で治療後の状態をチェックします。 4日目(退院) PET検査 薬剤投与後48時間後の検査を受け、退院となります。 治療後のフォロー体制 帰国後は4週間に1度のペースでPSAの値を測定しながら経過観察をします。 また、8週間後に同様の治療を行います。 去勢抵抗性前立腺がんの治療レポート 新型コロナウイルス対策に伴い制限されていたドイツ入国が解除され、ドイツの大学病院への紹介を再開しました。 初回検査・治療時は、当院長が付き添います。また空港到着時より、担当通訳が同行しますのでご安心ください。 ここでは、実際にドイツでの治療を行った患者さんのスケジュールを例に、レポートをご紹介致します。今後ドイツでのPSMA治療をご検討されている方の参考になれば幸いです。 ※以下のスケジュールはあくまでも一例です。フライトスケジュール、現地病院の治療コーディネートの状況、患者の病状/体調により変更があります。また、患者1人1人の状態に合わせた治療となるため、追加の検査や薬の処方などが考えられます。 患 者:71歳 男性 去勢抵抗性前立腺がん 同行者:あり(ご家族、ご同行者) 1日目 11:15 ANA便で羽田空港→フランクフルト空港へ。(飛行時間 約11時間) 16:25 フランクフルト空港到着。 フランクフルト空港からリムジンタクシーでホテルへ移動。(車で約90分) ドライバーとの合流のために、自分の連絡先を伝えておくだけでなく、事前にドライバーの名前・電話番号を把握しておくことをお勧めします。 フランクフルトからヴュルツブルクへはICE(日本で言う新幹線)で行くことができます。(所要時間:約80分) 自動券売機または有人のカウンターにてチケットを購入し、ホームの番号を確認し、乗車します。(日本のような改札はありません。) 2日目 8:40 タクシーでホテルからWurzburg大学病院へ。 (所要時間 Drint Hotel:約15分、Maritim Hotel:約10分) ドイツ人の勤務時間は7時から16時が一般的。ラッシュ時間には混み合うので時間に余裕を持って移動して下さい。また、ドイツはチップ文化。(ドイツ人は控えめでチップを要求されることはあまりありませんが)、パーセント程度のチップを渡してあげてください。 参考:15分 チップ込みで12〜13ユーロ程度。 8:40 タクシーでホテルからWurzburg大学病院へ。 (所要時間 Drint Hotel:約15分、Maritim Hotel:約10分) 書類はドイツ語または英語で用意されますが、サインはパスポート記載の英語表記または日本語のサインでも良いそうです。 12:00 Ga-68 PSMA PET検査 ・・・注射をしてから、薬剤が体内に行き渡るまで90分程安静にする必要があるため、ベッドで横になります。検査自体は30分程度で終了します。 午後 フリー 3日目 7:30 タクシーでホテルからWurzburg大学病院へ 8:00 腎シンチグラム(所要時間:30分) この日は、検査前までに最低2リットルのお水を飲む必要があります。朝1リットル、病院に着いてから更に1リットルを目安に、水分を摂って下さい。治療直前のこの検査で左右の腎機能のクリアランス(どれくらい排泄されるか)をチェックし、治療薬の最終的な投与量を決めます。 11:00 入院病棟へ移動。 12:00 Lu-177 PSMA administration(PSMA投与) ・・・点滴によるPSMA治療薬の投与が始まります。このタイミングからご家族(特に小さなお子さんや妊婦)との面会は被曝をするので禁止となります。 16:00 SPECT CT(4時間後) 治療後は副作用(唾液腺の腫れや痛み)を軽減させるため、首回りに冷却材をあてるようにします。ドイツには売っていないので、熱さまシートと固定用のテープなどを持参すると良いです。また、治療前から予防的に冷却するのも効果的のようです。 ご家族、ご同行者 入院までは病院で付き添い。 午後からは2日間面会不可のため自由時間となります。 4日目 12:00 SPECT CT(24時間後) 入院中は日本人ドクターが様子を見に来てくれますので、副作用や痛み・心配事について相談することが可能です。現地の看護師やドクターとのコミュニケーションが必要になる場面もありますので、ドイツ語・英語に自信のない方はポケトークなどの翻訳機を持参することをお勧めします。現地スタッフはとても丁寧に診療・対応してもらえるので、ご安心下さい。 ※12:00 SPECT CT(48時間後)・・・この検査をスキップして、代わりに翌日に外来で72時間後の検査となるケースもあります。 ご家族、ご同行者 終日フリー。 13:00 支払い・退院 入院中に着用していた衣服は微量ながら放射線による汚染が考えられます。着替えを用意しておき、汚染した衣服については病院に預けて次回までに洗濯しておいてもらうか、ビニール袋に入れて持ち帰り、帰国してから他の洗濯物とは別に通常通り洗濯して下さい。 午後 フリー 5日目 11:30 タクシーでホテルからWurzburg大学病院へ。 12:00 SPECT CT(72時間後) 午後 フリー 6日目 予備日。 特に治療スケジュールに変更がなければ終日フリーとなります。 7:30 チェックアウト 8:00 リムジンタクシーのお迎えで空港へ 12:10 ANA便でフランクフルト空港→羽田空港へ。(飛行時間 約11時間) 病院で「治療証明書」をもらっておきます。問題なく通過できることがほとんどですが、空港の保安検査で放射線による汚染が感知された場合に治療証明書を提示して下さい。 6:35 羽田空港 到着 帰宅 去勢抵抗性前立腺がんトップ 去勢抵抗性前立腺がんとは PSMA治療について PSMA治療の原理 治療の安全性について 適応検査について 去勢抵抗性前立腺がん治療の手順・レポート 去勢抵抗性前立腺がん治療の費用