右肩上がりで増加する「前立腺がん」

前立腺がんは、男性ホルモンによって引き起こされると考えられます。
日本においては、ここ20年あまり多く見られる疾患ではありませんでした。しかし2000年以降から右肩上がりに増加しており、あと数年で男性のがん罹患者数の1位になると推定されています。
前立腺がんは比較的発育が遅く、血液検査で早期に発見されることも多いため、適切に治療すれば命を脅かすことは少ないといわれています。
しかし、なかには非常に発育が早く治療をしても再発や転移を起こす場合もあり、残念なことに命を落とす方が後を絶ちません。

「去勢抵抗性前立腺がん」とは

手術や放射線治療後に再発・転移を起こした前立腺がんに対しては、通常、男性ホルモンの分泌の働きを抑制するホルモン治療が行われます。このホルモン治療を行ったにもかかわらず再発してしまったものが「去勢抵抗性前立腺がん」です。
近年は新しい薬剤が登場し、去勢抵抗性前立腺がんに対する治療の選択肢が増えてきましたが、それらの薬剤を使用しても、再発・進行してしまう場合があります。そうなると、それ以上は進行を食い止める手立てがないのが実情です。
しかしそれは、日本での話。国外に目を向けると、「PSMA」という物質に着目した新たな治療法に期待が集まっています。

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