「PSMA」とは

PSMA(Prostate Specific Membrane Antigen)は、日本語で「前立腺特異的膜抗原」。前立腺がん細胞の表面に存在しているタンパク質です。
がんの悪性度が高かったり進行性に転移したりする場合には、数十~百倍も強く発現するようになります。

PSMAを標的にがん細胞を狙い撃ち

細胞膜の表面に顔を出しているPSMA。この物質に結合する化合物に組み込まれた放射性同位元素から放射線が放出され、前立腺がんだけを狙い撃ちして、細胞レベルで放射線治療を行うのがPSMA治療の基本的な原理です。
そこで用いられるのが、放射線の一種・β線を発生させる放射性元素・177-ルテチウム。PSMAに結合する物質(分子標的物質)にこの177-ルテチウムをつけることで、組織内照射を実施します。
がん細胞だけを選択的に攻撃するため、正常な臓器への影響が少ないという点もPSMA治療の大きなメリットです。

日本でPSMA治療を行うにはあと数年はかかる?

ドイツで開発され、欧米を中心に行われているPSMA治療。その効果は2017年から主要な国際学会で軒並み発表され、世界中で大変な注目を集めています。
しかし日本には放射性物質の取り扱いに関する法的な制限があり、国内で検査や治療を受けられるようになるまで数年はかかるといわれています。

PAGE TOP